箱の中の会話から
この会話は、日常的な商品企画のやり取りです。
彼らは「〇〇入りの高年女性向け商品」を開発コンセプトに決めたようです。
とても、他人事にできないような事例ですね…。
商品開発におけるコンセプトについて、本来の位置づけを学んでいきましょう。
コンセプトは知恵の結晶
コンセプトは物事の価値を明快に指し示すもの。
どこにでもあるもの、ありふれたことから消費者を連れ出し、新しい価値体験を約束するものです。
その温度感が伝わってくる事例をご紹介します。
優れたコンセプトは行動を導く
コンセプトは概念を示すものですが、仕上がりの良し悪しが重要です。
成功した商品や事業には、ユニークなコンセプトがあります。
丸亀製麺
今日も打ち立て、つくりたて。
ここのうどんは、生きている。
ネスタリゾート神戸
大自然に勝てる遊び場なんて、ない。
ここは、大自然の冒険テーマパーク。
コンセプトの仕上がりが成否を分ける
コンセプトの良し悪しが、事業の成否に大きく影響します。
その観点から、コンセプトを磨いてみましょう。
例に挙げたコンセプトには、体験価値の到達点が明快に描かれています。
つくってワクワクするか、使ってゾクゾクするか。
顧客が商品を手にとったとき、効果を体感した時の情緒的な動きにも着目してみましょう。
- コンセプトの仕上がりが成否を分ける。
- 優れたコンセプトは消費行動を導く。
- つくり手がワクワクするか?
- 買い手がゾクゾクするか?
- 体験した時の情緒的な動きにも着目しよう。
- 使用体験の到達点を明快に描こう。
コンセプトのチカラに学ぶパーソナルマーケティングのコツ
自分自身を商品として捉えた時、どんなコンセプトが魅力的でしょうか?
ポイントは、新しい価値体験の到達点を明快に描くこと。
噛み砕くと、自分が最も得意なスキルを、特異な価値に結びつけること。
実は、得意なスキルと特異な価値は、文脈を工夫するだけで見えてきます。
自分スタイルの提供価値を見つけよう!
自分らしいキャリアを描くための最初の一歩は、自分本来の素晴らしさに気づいてあげること。
次の一歩は、得意なスキルの二面性に着目して特異な価値を描くこと。
そして、具体的な行動事例を挙げることで、相手の納得感を引き出しましょう。
ご自身が直接的に関わった結果でなくても、まったく構いません。
会社や事業が成長した事例に、自分がどのように貢献したか説明しましょう。
貢献した内容はどんなに些細なことでも構わない
自分の主観では、ついつい過小評価してしまいがちですが、立派に胸を張っていいんです。
たとえ、組織的な成果のほんの一部であっても、自分の強みを生かして貢献できたことを誇りに思える人はとても魅力的です。
直接的に大きな成果を挙げた場合であっても、自分の有能さに固執するのではなく、粒度を細かくして成功要因を分析し、仲間の貢献や周囲のフォローを称えられるリーダーはとても魅力的です。
特に、役職採用の場合には、成功に導くノウハウや人間性こそ、採用側が見極めたい核心とも言えます。
相手にどんな印象をもってもらいたいか?
商品を手に取った消費者、人材をマッチングさせる採用担当者に対して、どんな印象を持ってもらいたいのかよく考える必要があります。
前者の場合、セールストークに共感が得られれば購入や継続に繋がりますし、後者の場合、職務経歴書や面接で共感が得られれば勝率が上がります。
コンセプトに説得力を持たせるのは行動を伴った根拠です。
例えば、URETECH編集者の場合、
コンセプトは?
作り手のひらめきを、使い手のワクワクに。
市場をつなげる、ものづくりの策士。
どんな印象を与えたい?
創造的で結果主義。驕らず社内外の調整役として機能できる人材。
どんな商品?
創ると売るの目線を兼ね備え、成功商品の創出に貢献します。
従来にない“違い”を生む開発指針と早期実現の構図を描きます。
その根拠は?
通販業界の勝ちパターンの実績と開発ノウハウがあります。
健康食品を上市後3ヶ月で売上数千万円を広告費ゼロで達成。
新素材を発明して育毛内外美容の事業化を先駆。
食品の有効成分から画期的なペプチド医薬シーズを創出。
総額1億円を超えるヒト試験の運営実績。
職務経歴書と面接での印象にズレがないことは安心感を生み出す
こうしたプロフィールで関心を持って頂けたとしても、面接では数字や実績に現れない人間性も大切です。
面接を通した印象は、得意なこともそうでないことも、職務経歴書から伝わってきた第一印象と一致していた。
スキルや人物像を含めて、この人と一緒にはたらきたい、採用側にそう思ってもらえたら大収穫です。
中身が伴っていないことに虚勢を張らない
自分が優秀な人材という印象を与えたいと思うのは、ごく自然なことかもしれません。
ですが、なんでも人並み以上にできるということ主張しても、必ずしも好印象とは言えません。
発言に中身が伴っていなければ、思わぬ逆効果で好印象をスポイルしてしまうことがあります。
もし、賢いさを伝えたいのであれば、自分は万能ではないと謙虚であること。
そして、強みを発揮できること(有能なところ)、得意ではないこと(無能に近いところも)を飾らず客観的に理解していること。
そういった印象が伝わる方が良い結果につながるはずです。
虚勢を事実と演じきれたとしても、入社後のギャップで痛い目にあう可能性が高く、等身大の自分でマッチングを図る方が双方にとって有益です。
入社後にギャップを感じることは回避できない前提
とはいえ、どれだけ事前にすり合わせても、お互いに入社後のギャップはゼロにはならないでしょう。
ただ、可能な限り違和感のリスクを減らしておいた方が良いことは間違いありません。
何一つ妥協しない進路があるとしたら、フリーランスや起業などにより独立すること。
役員レベルは別問題として、会社員としてのキャリアを選び続ける以上、何もかも自分にフィットする職場はないことを理解しておきましょう。
それでは次回、商品力について理解を深めていきます。
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